転職活動を考えたときに、まず思いつくのは車内やネットで名前を知っている転職エージェントに登録することではないでしょうか。「どこでも同じだろうから、大手なら、まぁいいか」と何となく決めていませんか。
「この企業のこのポジションに就きたい」という固い決意がない限り、行き当たりばったりの登録はおすすめできません。なぜなら、著者自身が10社以上で働き、転職エージェントで1000人以上サポートして、自分自身の転職活動の甘さを痛感し深く後悔したからです。
理想の仕事を最速で得るために一番大切なのは「どのエージェントに登録するか」ではなく「あなたに合った担当者※」を見つけることです。
この記事では、初めて転職エージェントを利用する人でも最短であなたのキャリアパートナーとなる担当者を見つけるエージェント登録の方法を紹介しています。ぜひ最後まで読んで、あなたに最適な担当者と出会ってください。
※担当者:転職エージェントにより、キャリアコンサルタント、キャリアアドバイザー、キャリアコンシェルジュなど呼び方はいろいろとあります。このブログでは統一して「担当者」としています。
最速&最短で理想の仕事をつかむための、担当者を見つけられる
転職エージェントの総合型と特化型の違いを理解して使い分け方がわかる
すでに転職エージェントに登録しているけど、「全然仕事が決まらない」問題を解決できる
最速&最短で理想の仕事を得る! エージェント登録5ステップ
まずは、効率の良い転職エージェントの選び方・登録の順について流れとポイントをチャートでつかんでください。順番やポイントを間違えると、それだけ時間のロス=チャンスを逃すことになります。
まずはすべての人におすすめできる大手総合型エージェントに登録する
1)転職市場全体を見渡す 2)応募書類を添削してもらう
業界や職種、希望条件がある程度決め、優先順位をつける⇒特化型エージェントにも登録する
希望の業界・職種・条件であなたの希望がどの程度かなえられるか見当をつける=市場価格を知る
総合型・特化型それぞれから担当者を合計2~4人くらいまで絞る
STEP1 総合型のエージェントに登録
最速で内定を得るための組み合わせは、総合型と特化型を併用することですが、登録する順番には注意が必要です。まず、総合型に登録してください。総合型は業界や職種を幅広くカバーしているので、あなたの市場価値を総合的に評価する良い選択肢となります。
同じ職種でも異なる業界では、年収や条件が変わることを肌感覚で理解することができ、選択肢が広がります。
STEP2 エージェントの担当者と面談・求人紹介
実際に求人を紹介してもらう、応募書類を添削してもらうためには、面談を受ける必要があります。面談も書類添削も無料ですから気軽に利用しましょう。総合型のエージェントを利用する目的は次の2つです。
1)転職市場全体を見渡すこと
2)応募書類を添削してもらうこと
これにより、この後の転職活動がスムーズに進められるようになります。総合型エージェントは大手が多く、マニュアルも充実しています。転職活動の第一段階で、全体的な転職市場の確認と応募書類のブラッシュアップについて相談するには大手総合型エージェント一択です。
ここで、面談を面倒に思う人が多いので、改めて面談を受ける意味を確認したいと思います。面談については「担当者との面談(電話・Web)」と「Q&A よくある質問11選に元エージェントが回答します」で詳しく説明しています。
転職エージェントの担当者と面談を受けることで、転職成功に必要な4つのポイントを抑えることができます。
①相性が良い担当者・②あなたに合った求人情報・③転職の方向性の明確化・④企業面接の準備
メリット1) あなたに合った担当者を選べる
成功する転職の鍵は、あなたに合った担当者を見つけることです。担当者との相性は実際に話してみないとわかりません。面談では対等な立場で、あなた自身が担当者を選ぶ意識で話を進めましょう。「ヤバい転職エージェントの特徴7選」に当てはまらなければ相性で決めてOKです。本音を話せることが大切だからです。
メリット2) あなたに合った求人情報を得る
あなたの志向や転職で実現したいこと、スキルや経験など詳しく話すことで、あなたに合った求人を紹介されやすくなります。もし、ずれている紹介があったときでも、一度話しておくことで①どの点がずれているのか、②なぜその求人を紹介したのか、といった質問をしやすくなるメリットがあります。
メリット3) 転職軸が明確になる
第三者に話すことで自分の思考が整理され、なぜ転職したいのか、何を転職で達成したいのかということが明確になります。著者の経験からも、面談中に求職者さんが気づいていなかったニーズが浮かび上がることが多くありました。
メリット4) 求人の質が向上する
面談を通じて、転職エージェント内でのあなたのランクを上げられます。転職エージェントは求職者をランク分けしています。上位にランクされるのは、想定年収が高い人や転職意欲が高い人です。もし今の年収がそれほど高くなくても、面談で真剣に転職を考えていることをアピールできれば、良いサポートを受けられる可能性が高くなります。たとえば、新しい求人が来た時により早く紹介してもらうことができます。
メリット5) 企業面接の準備になる
転職エージェントの面談を受けたくないひとでも、採用企業の面接を断ることはほとんどありません。内定を獲得するためには、企業面接に慣れることが必要です。そのために、エージェントとの面談で自分をアピールすることに慣れておけば安心です。特に、Web面接に慣れていない人は、オフラインの面接とはコツが違うので、積極的に活用してほしいです。
STEP3 行きたい業界・職種・条件で特化型に登録
業界や職種、希望条件がある程度決まり、優先順位をつけられたら、特化型にも登録します。転職エージェントは必ず総合型と特化型それぞれ最低でも2社以上登録しましょう。
また、先に特化型の求人だけを見て、可能性をせばめてしまうのはおすすめできません。30代前半までは未経験でも応募できる求人が多いので、一生涯のキャリアプランのために多くの求人を見てください。特化型を選ぶのは、下記の組み合わせがおすすめです。
・業界・職種の希望が決まっているひと⇒希望の業界・職種に特化した転職エージェント
例)IT業界や営業職に特化したエージェント
・業界・職種を問わず広く探したいひと⇒希望の条件に特化した転職エージェント
例)20代や地方転職に特化したエージェント
STEP4 エージェントの担当者と面談を受ける・求人紹介
求人紹介や応募書類の添削を受けるためには、総合型エージェントと同様に面談を受けることが必要です。特化型エージェントは総合型に比べて中小規模のエージェントが多いですが、業界・企業との結びつきが強く、担当者は専門知識を持っています。担当者や求人の専門性の違いがわかるとエージェントを選びやすくなります。
特化型エージェントを利用する目的は、以下の2つです。
1)希望する業界・職種・条件において、あなたの市場価値を確認すること
2)応募書類を添削してもらうこと
総合型と特化型の両方を活用して、自身がどの市場で強みを持っているのか、また求人による応募書類の書き方の違いを確認することで、あなた自身を市場で高く評価される存在にすることができます。
STEP5 あなたに合った担当者を見極める
ここまでで、総合型と特化型で2~3社ずつ面談をしてきてエージェント担当者の感覚がつかめたと思います。次に、あなたの転職活動のサポーターとしてふさわしい担当者を2~3名程度にしぼります。担当者の数はあなたの転職活動のペースによりますが、多すぎるとスケジュールや情報が混乱してしまうリスクがあります。逆に、どれほど「この人だ!」と思っても一人に絞るのはもっとリスクが高いです。
デメリット1) 転職エージェントによりサポート期間が決まっていることがある
担当者を一人に絞って、そのエージェントのサポート期間が終ってしまったら、登録からやり直す必要があり、転職活動の勢いがなくなる可能性があります。応募を連続して進めることで内定確率が上がるケースも多いです。効率的に転職活動を進めるためにも、複数のエージェントに同時に登録することがおすすめです。
デメリット2) 転職エージェントの担当者は常に求職者の優先順位をつけている
一人の担当者が100人以上の求職者を担当していることも珍しくないです。他の求職者の優先順位が急に上がった場合、あなたの優先順位が相対的に下がり、求人のマッチング精度やサポートの質が低下する可能性があります。良い担当者を見つけたとしても、サポートの質が低下するリスクがあることを認識しておきましょう。
デメリット3) 情報不足・低サポートエージェントからしか応募できない
気になるポジションを紹介された担当者との相性が合わない場合や、内部情報が不足していると感じた場合は、他のエージェントに相談してみることをおすすめします。他のエージェントでも、同じ求人情報を持っている可能性があります。
複数のエージェントを利用していれば、相性が合う担当者や情報を豊富に持つ担当者、ていねいなサポートが得られる担当者から応募することができます。ただし、注意点として、同じポジションに対して複数のエージェントから応募することはできないことに留意しましょう。
どのエージェントの担当者もピンと来ない!
もし複数の担当者と面談しても、「どのエージェントの担当者もピンと来なかった」という人は別なエージェントに登録するか、エージェントのお問い合わせに「担当を変更してほしい」とリクエストしましょう。転職エージェントは28,000社以上あります。求職者をサポートする担当者はもっといることになります。担当者であなたの転職成功率は大きくかわります。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
「転職はリスクだ」という人がいますが、確かに未知の状況への変化は「リスク」を伴います。ただし、「転職活動」自体はリスクフリーです。転職活動は、「内定」=「就労条件の提示」を確認してから、求職者が最終的な決断ができる、という完全な「後出しじゃんけん」です。ですから「就職活動」そのものにはリスクはまったくありません。
とはいえ、現在の仕事を進めながら転職活動をするのは、時間的・体力的には大変です。学生時代の就活とちがい、同じように転職活動をする仲間も少ないでしょうから、孤独でもあります。
なので、できるだけベストな体調とメンタルで転職活動を進めるには、効率よく進めることが大切です。転職活動の失敗の多くは、時間的またはメンタル的に活動を続けられなくなることからです。
この記事では、多くの転職活動者がしている「適当に知っているエージェントに登録する」ではなく、戦略的に転職エージェントを使い倒す方法を登録から解説しました。
この記事で、あなたが良い担当者と出会って理想の仕事に就くことができることを祈っています。
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