すでに転職活動が長引いている人はこの記事で、原因を見つけて対策を立てて一日もはやく希望の仕事をつかんでください。
まだ転職活動を始めていない人は、転職活動が長引く原因を先に知っておくことで、対策を立てておきましょう。
データだけでなく、著者がサポートしてきた転職成功者さんたちの実例をもとに解説しているので、短期間で転職したい人には絶対に役立ちます。
転職活動にかかる平均的な期間と応募社数
すでに転職活動が長引いている人はこの記事で、原因を見つけて➡対策を立てて一日もはやく希望の仕事をつかんでください。
まだ転職活動を始めていない人は、転職活動が長引く原因を先に知っておくことで、予防策を立てておきましょう。
データだけでなく、著者がサポートしてきた転職成功者さんたちの実例をもとに解説しているので、短期間で転職したい人には絶対に役立ちます。
転職活動は、どのくらいから「長期化」なのか?
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、どの年代でもボリュームゾーンは1ヶ月~3か月で、約3割の人はこの期間で転職活動をしています。
ほとんどの人が半年以内に次の仕事を決めています。
ただ、転職市場は年齢・業界・職種、その時の景気に大きく左右されます。その証拠に、次に多いのが1ヶ月未満か3ヶ月~6ヶ月未満です。
転職活動には平均的に3ヶ月から6ヶ月程度かかりますが、業界や職種によって異なります。またあなたの現職の都合があり、すぐに退職できないこともあるでしょう。
この記事では、転職活動が長期化してしまうデメリット、原因、対策などを元転職エージェントの著者が詳しく説明します。
他の人はどれくらい応募している?
平均は21社超。正直たいへんな応募数です。
dodaの調査によると平均応募社数は21.4社、2社以上応募する人は84.0%にのぼります。3か月の転職期間とすると、1ヶ月に約7社、1週間に2社近く応募することになります。
正直「えっ!?そんなに応募するの?」と思った人が多いのではないでしょうか。
ですが、同じ調査から応募:19社⇒面接:4社⇒内定:1社、という平均がでています。
日本には420万社もあります。社会人経験が浅いのであれば、できるだけ多くの業界や職種を検討することをおすすめします。
未経験の業界・職種にチャレンジできるのは、だいたい30代前半までです。つまりその年齢までにキャリアプランを固める必要があります。
年齢が上がって応募できる企業数が減るまえに、できるだけ多くの求人を見て応募することをおすすめします。
転職活動が長引くデメリット7選
転職活動は長く続ければよい結果が出るというものではありません。ここでは転職活動が長引くことによるデメリットを説明します。
デメリットを理解したうえで、あなたの転職スケジュールを考えてください。
1.自信がなくなる⇒転職活動がさらに長期化する負のスパイラル
転職が長引く、つまりお見送り回数が多いと多くの人は自信を失いがちです。著者自身も転職でお見送り通知が来たときは「誰からも必要とされていない」感覚になり人格を否定されたような気持ちになりました。
自信がなくなると、自己肯定感の低さが応募書類や面接の態度に現れ、それがさらに不採用につながる負のスパイラルにはまります。
自信がない状態で応募を続けても、採用されることは難しく、転職活動がさらに長引く負のスパイラルにはまります。
自信を失ってしまっているなら、もう一度転職の目的を見直してください。転職軸をしっかり持っている人は、お見送り通知も「縁がなかっただけ」と気持ちの切り替えが早い傾向にあります。詳しくは【事前準備】転職軸・目標設定・自己分析&引継ぎ書作成で説明しています。
2.転職軸からずれた転職活動になる⇒入社後も転職ループにはまる
転職活動が長引くと、焦りから転職の目的を見失い、内定そのものが目的となってしまうことがあります。その結果、転職軸からずれた企業でも入社し「こんなはずじゃなかった!!!」と後悔することになります。そこで転職活動を再開するという転職ループにはまります。その次の転職活動は年齢と経験社数が増える分、もっと難しくなります。
次の調査を見てください。転職が一般化したとはいえ、まだまだ転職回数が少ない・若い方が有利です。
実例1)転職回数が3回以上の人の31%は、転職期間が1年以上になっている 東京海上日動
実例2)転職回数が3回以上の人の50%以上が、「転職軸が定まっていない」 人材紹介スタッフサービス
転職軸を明確にし、転職活動期間が長引いても焦らずに、自分に合った企業・職種にフォーカスすることがあなたの生涯のキャリアプランで大切になります。
3.精神的なプレッシャー・焦り⇒心身を病んでしまう
転職活動が長引くことで、ストレスや不安、焦りなどの精神的なプレッシャーを感じる人が多くなります。とくに初めての転職活動の場合、就職活動とはちがい仲間がいない不安や現職を続けることの難しさから精神的に追い詰められてしまいがちです。
また、パワハラや人間関係などが理由ですでに今の職場でメンタルを病みかけていた場合は、転職活動が長引くことで悪化してしまうことがあります。
転職活動が長引くことで、精神的なストレスや不安、焦りなどのプレッシャーがたまり、心身を病んでしまうことがあります。転職活動を始めるまえに、しっかりと準備をしておくことが予防になります。
4.現職の上司・同僚にバレない気遣いに疲れる⇒うっかりバレる
転職活動の大原則の一つとして、今の職場にバレないことですが、転職活動が長くなるとバレる危険性が高くなります。
バレたときのリスクは大きく2点です。
1)職場環境・人間関係が悪化する:上司・同僚からの嫌がらせ・無視、異動、左遷など
2)現職にとどまる選択肢がなくなる:転職活動をすることで現職の良さを知ることもあります。そこで現職でがんばることを選びたくても転職活動がバレると、泣く泣く転職するしかなくなってしまうことがあります。
転職活動が長引くとバレる可能性が高くなる例
・緊張感がうすれてうっかり同僚などに話してしまう
・面接などで有給休暇を取る回数が増え怪しまれる
・面接のため普段とは違う服装で出勤することが増え怪しまれる
・就業中の電話連絡で席を離れることが増え怪しまれる
仕事はほぼ毎日のことなので、バレないように気を遣い続けるのはとてもストレスがたまりますが、バレてしまうと上記のようにもっと大変なことになります。
1)緊張感を保てる期間で内定を取れるように事前準備・活動をする
2)転職活動のストレスをコントロールできる環境を事前に準備しておく
転職活動が長引くと、緊張感のゆるみとストレスから、職場にバレやすくなります。
5.現職との両立に疲れる⇒仕事がおざなりになり、評価が下がる
転職活動が忙しく今の仕事につかえる時間と体力が減った結果、ミスが増えたりして評価が下がることがあります。
上のバレたときと同じリスクがあります。
1)評価・人間関係が悪化する:上司・同僚から「使えない」と思われる⇒仕事を振ってもらえない・評価が下がる・同僚との協力関係がなくなる
2)現職にとどまる選択肢がなくなる:転職活動を通じて現職の良さを知っても評価が下がった結果、左遷や異動という可能性があります。
この調査で重要な点は、下記の2点です
1)転職活動の平均期間が6.3か月
2)転職活動の方法の1位がハローワーク、2位が転職サイト、3位でようやく転職エージェントです。
これは、ハローワークを使い一人で活動するから、不採用が続き転職活動が長引く、希望にあう求人が見つからず、仕事との両立が難しい、のです。
転職エージェントはツボを押さえて利用すれば、あなたの強力な味方になります。
あなたに合った求人紹介、書類・面接サポートで応募の精度を高めて、面接の日程調整などであなたが現職に集中する時間を確保してくれます。 現職がおざなりになることで、低い評価を受けるリスクがあります。転職エージェントを使って上手に時間をコントロールしましょう。
6.お金がきつい⇒Iターン・Uターンの人は特に注意
コロナ禍で転職エージェントとの面談、企業との一次面接がほぼWebや電話になったとはいえ、転職活動は想像以上にお金がきつくなります。
気持ち、お金の両方の余裕のためにも在職中に次の転職先を決めておくことが大切です。
お金がキツイ!理由3点
1)応募書類作成、面接などで残業を減らすことから収入が減る
2)地方に就職したい、逆に地方から上京したい場合:対面での面接のための移動費、内定後の引っ越し費用、就職先地域の物価が高い
3)スーツなどの衣服費:いつもカジュアルな服装で通勤している場合、別にスーツや革靴などをそろえるコスト
前もって残業なしでも生活水準を維持できるか、移動やスーツなどにかかる費用など事前に考えて貯蓄しておきましょう。
7.好きなことをする時間がなくなる⇒転職ストレス⇒あきらめる
在職中の転職活動はスケジュールがきついので、好きなことをする時間や家族との時間が減ることでストレスをため込みすぎてしまい、転職活動をあきらめてしまう人がいます。
対策は2点あります
1)ストレスマネジメントを身に着ける
これを機に、ストレスをコントロールすることを身に着けて、転職活動だけでなく、あなたのキャリアアップに役立てましょう。転職後の慣れない環境・人間関係のなか、出世したときなどこれからも強いプレッシャーのもとで成果をだすために必要なスキルです。
2)転職軸を定期的に見返す
転職活動が長引くと転職軸からずれてしまい、内定そのものが目的になりがちです。
転職活動の目的、たとえば今よりも自由な時間を増やして家族と過ごすことだとしたら、それをイメージすると忙しいなかでもモチベーションを保てます。 転職活動は好きなことをする時間も削られて、ストレスがたまることがあります。今後のキャリアのためにもストレスマネジメント術を身に着けること、定期的に転職軸を見返すことで、転職活動を続けてください。
ストレスマネジメントにおすすめするのは、Coping List(コーピングリスト)と呼ばれるものです。著者がNasdaqの企業に勤めていた時に本社社員から教えられ、いまでも助けられています。
簡単に説明すると、自分が癒されるもの・ことをリスト化するだけです。コツはできるだけスグに実行できることを入れることです。
たとえば旅好きな場合、落ち込んだ時にすぐに行くことはできませんよね。お金も時間もかかります。できるだけ一人ですぐにできることを具体的にあげておきます。
【コーピングリストの例】
美味しい食事(〇〇レストランの△△、お気に入りの〇〇のチョコレート、△△のアイスクリーム)
ひとりカラオケ
運動・散歩・ジョギング・ヨガなど身体を動かす
入浴剤を入れて湯舟につかる
できるだけ、元気で前向きな時にリストを作っておきましょう。落ち込んで必要なときには、自分をケアする方法を思いつくことが難しいからです。ぜひ、転職以外のストレスのためにも作ってみてください。
内定がとれない原因を転職活動のフェーズごとに解説 対策あり
転職先が決まらないことには原因があります。この記事では、原因を①自己分析、②応募書類、③面接、④転職活動の方法の4つにわけて詳しく解説します。
ぜひ、転職活動が長引いている人はこの記事をしっかりと読んで対策を立てて、一日もはやく希望の仕事に就いてください!
自己分析が足りない
転職は転職市場で、あなたという商品を企業に売るということです。商品を理解していなければ、転職を成功させることはできません。
転職軸ができていない・転職の目的があいまい
転職活動をするうえで、自分自身の転職軸を持つことは非常に重要です。先日お話した採用官は、「転職軸ができていれば、ほぼ合格」とまで言い切っていました。逆に言えば、転職軸を持っている人が少ないので、差別化ポイントです。
転職軸とは、転職をする目的を具体的に設定し、その目的に合わせた職種や業界を絞り込むことです。
1)あなたの希望とのマッチング度が低い求人しか紹介されない
2)転職エージェントの都合に振り回されてしまう
3)志望動機があいまいになり説得力がない応募書類・面接⇒不採用
4)転職軸からずれた転職をしてしまい「こんなはずじゃなかった!」と退職⇒転職を繰り返す
転職の動機は多くの場合、ネガティブなものです。ネガティブなことを深堀りすること、自分と向き合うことはしんどいですが、上のリスクを考えてしっかりと軸を明確にしてください。ここをしっかりとしておけば、早く満足いく結果で転職活動を終わらせることができます。
詳しくは【事前準備】転職軸・目標設定・自己分析&引継ぎ書作成で説明しています。
転職の条件の優先順位をつけていない
あなたの希望を全てかなえてくれる求人はありません。自己分析のなかで、条件の優先順位を付けておくことが重要です。
例えば、年収を優先するなら、通勤時間、転勤、残業など何から諦めるか決めておきましょう。上の項でも紹介した【事前準備】転職軸・目標設定・自己分析&引継ぎ書作成で優先順位のつけ方も説明しているので参考にしてください。
あなたが重視するポイントを明確にしておくことで、求人情報の見方、応募企業の選定、内定承諾の可否などに迷いがなくなります。
自己分析・キャリアの棚卸しが不十分である⇒自分の市場価値について理解不足
自己分析でキャリアの棚卸をきちんとしていないと、あなた自身の市場価値について理解が足りず、的外れな転職活動をしてしまいます。
転職市場での価値とは、あなたのスキル・経験がどの企業にニーズがあるか、ということです。
この市場価値の理解はとても大切で、同じ業界・職種でも企業へのアピールの仕方が変わってきます。
著者は同じ職種でも外資系と財閥系で、面接でアピールする内容を変えていました。外資系ではフラットな社風だったので自分で企画して進めたプロジェクトについて力を入れて説明しました。一方、保守的な社風の財閥系では年功序列を尊重し、チームワークで出した成果を前面に押し出しました。
強みだけでなく、見たくない弱みを理解していれば相手に合わせてアピールの仕方を変えることができます。
ダメだったときに理由を分析していない
お見送り通知は辛いですよね。著者も10社以上経験していますが、あのダメージには慣れません。
ですが、お見送りに落ち込むだけでは、同じ失敗をしかねません。模擬試験だったと気持ちを切り替えて、受験と同じように失敗の原因を振り返りましょう。
面接での失敗の深堀りの例
*「面接での受け答えがうまくいかなかった」⇒どの点がうまくいかなかったのか?具体的に考える
*「志望動機をうまく伝えられなかった」⇒企業や業務内容の理解不足、自分の長所・短所の理解不足、緊張しすぎ、など何が原因かつきとめる
お見送りは精神的につらいものですが、うまくいかなかった原因をきちんと分析して次につなげることが必要です。
転職エージェントを利用すれば、企業・転職エージェントからフィードバックをもらえるので、次の応募企業の成功率が上がります。
ヤバい転職エージェントの特徴7選で7.お見送りになったとき理由を説明できないエージェントはダメな理由を説明しています。転職エージェントを利用してフィードバックを受けるヒントになります。
応募書類のアピールが足りない
応募書類で大切なことは、書類選考者が面接担当者から「なんでこんな人物を通しだんだ!?」と言われないようにすることです。
「何それ」と思うひともいるかもしれませんが、組織で働くと上司や同僚から非難されないようにすることが優先されがちです。組織が大きく古くなるほどこの原点方式の傾向が強くなります。
ですから、応募書類は企業と募集要項をよく理解し、それぞれに合わせた内容にすることが大切です。
ただし、前提として誤字脱字、英数字の半角/全角の統一、固有名詞が正確、などの基本ができていることです。応募書類に共通する書類作成の最低限のポイントで詳しく説明しています。
企業研究が不十分
応募書類はラブレターのようなものです。あなたを雇うメリットを伝え、デート=面接にこぎつけるためのツールです。ですから、相手のニーズがどこにあるのかを良く知る必要があるのです。
同じ業界であっても、企業のフェーズや得意とする商品・サービス、外資・内資、中途社員の割合などで大きくちがいます。
転職エージェントを利用していれば、応募企業について詳しく聞きましょう。
下記は絶対にチェックするポイントです。転職エージェントを利用している場合は、業績や業務内容、強み・弱み、新規事業など聞いてみましょう。
1)業績・業務内容・新規事業、強みを知る
企業Web・会社四季報・有価証券報告書(企業Webに載っていないとき)
2)社風・経営者を知る
経営者の著書・SNS・インタビュー記事
従業員のブログ(企業Webに載っていることがあります)
詳しくは情報収集もみてください!特に企業Webと求人票しか読まずに応募していた人、応募企業の有価証券報告書を読んだことがない人には強くおすすめします。
募集要項の理解不足
募集要項(求人票)を適当に読んでいませんか?これには書類通過のポイント、企業が求めるスキル・経験、人物像などがぎっちり詰まっています。
多くのひとは、自分が受けられるメリットを主眼に見ていますが、それがお見送りポイントです。応募するポジションであなたが活躍していることを具体的にイメージできるように、スキル・経験を伝えることがポイントです。
たとえば営業なら、転職エージェントからより具体的に業務内容を聞いて、①商材(無形/有形)、②顧客(新規/既存、個人/法人、数、規模など)、③手法(ルート/訪問/反響など)、④実績、⑤工夫したことをアピールできるようにします。
求人票(募集要項)に載っている、「必須条件」「歓迎条件」とあなたのスキル・経験を比べて、
・完全に合っているところ⇒より具体的に書いて相手に印象付けます
・合っていないところ⇒さらっと書く
「具体的に」とは、数字や(守秘義務の範囲で)固有名詞で表現することです
スキル・経験のリストにならないために、応募書類を書く前に確認すること3点
1)募集要項の「求める人物像」
完全に当てはまっていることはなくても、当てはまっているところを具体的なエピソードを交えてアピールします。
2)募集要項の「ポジション」
同じ「コミュニケーションスキル」といっても、応募するポジションにより求められることがちがいます。
たとえば、同じ「コミュニケーションスキル」でもメンバーとリーダーでは求められるスタンスがちがいます。
チームメンバーとしてのコミュニケーションスキル⇒多様なメンバーとアイディア交換できる、チームワークで成果を出せる
チームリーダーとしてのコミュニケーションスキル⇒相手に自分の意見・意図を伝えられる、メンバーに適切なフィードバックをできる、
3)社風や経営者のキャラクター
特に規模が小さい会社ほど経営者の性格が大きく影響します。共感できるところをエピソードに混ぜても良いです。
たとえば組織の在り方では、
経営者がフラットな組織を目指している場合⇒企画や提案を取り上げられた経験
年功序列がしっかりしている組織⇒上司を的確にサポートしたエピソード
転職エージェント仲間の一人は「募集要項さえきちんと理解できれば他の企業情報収集はいらない」とまで言っていました。応募するポジションのレベルにもよりますが、募集要項は書類通過のポイントが満載です。理解できないところがあれば、転職エージェントに確認して書類作成に活かしましょう。
応募書類を使いまわしている
応募書類を使い回すのは、ラブレターを使いまわすのとおなじです!厳禁です!使いまわすとその企業の求めるスキル・経験や人物像に沿わず、選考で落とされる可能性が高くなります。
使いまわしがNGな理由は次の2点です。どちらにしても、書類選考は通りません。
1)相手のニーズに合っていない⇒スキル・経験不足でお見送り
2)担当者に使いまわしていることがバレる⇒社会人マナー違反、人物像が合わない、と判断されてお見送り
スキル・経験が合わないのはわかりやすいと思いますが、見落としがちなのは人物像が合わないことです。応募書類の使いまわし=手抜き、と見られ同じように仕事にも一生懸命に取り組まない人物だろうと判断されるのです。
採用担当者は採用のプロです。あらゆるところから、あなたという人を理解するヒントを得ています。書類の使いまわしはすぐに見抜きます。手抜きをせず、求人ごとに書類を準備しましょう。
マニュアルをそのまま使っている
使いまわしと同様にマニュアルにある志望動機などを使うのもNGです。
マニュアルの文言をそのまま使ってしまうと、あなたの良さが伝わらず、選考で落とされる可能性が高くなります。
NGな理由は次の2点です。どちらにしても、書類選考は通りません。
1)個性が伝わらない⇒他の候補者との差別化ができない
2)担当者にマニュアルであることがバレる⇒社会人マナー違反、人物像が合わない、でお見送り
担当者に「会ってみたい」と思われるように、マニュアルはヒントまでにしましょう。
面接でのアピールが足りない
面接でアピールが足りない理由は、面接の目的と面接官の視点を理解していないことからポイントがずれてしまっている場合があります。
この面接の目的と面接官の視点は、同じポジションに応募するときでも、アピールポイントがちがうので、面接を通過できない人はよく理解してください。
1)応募書類でわからない人物像を見る
2)スキル・経験の確認をする=応募書類の裏を取る
次に、面接官の視点ついて説明します。これを理解していないと、一次/二次面接は通過するのに、最終的な内定を取れないというお悩みにつながります。
【面接が3回ある場合の面接官】
一次面接:①現場社員 または ②人事担当者
二次面接:①人事担当者 または ②現場社員
最終面接:役員
【現場社員・人事担当者・役員の視点】
人事担当者の視点:志望度、人柄、価値観、志向性、社風とのマッチング、長く働ける人柄か?
←すぐに辞めると人事の責任になる
現場社員の視点:スキル・経験、即戦力になるか? ←成果がでないと現場の責任になる
役員:社風とのマッチング、将来的に企業に貢献できそうか? ←リーダー・幹部になれるかという長期目線
それぞれの面接担当の立場により視点が異なります。ただし、一次と二次に共通するのは、次の面接の担当者に「なんでこの人物を通過させたのか!」と言われないことです。社内の力関係が反映される、組織あるあるですね。
単に「面接」といってもポイントがちがうので、面接ごとにしっかりと対策を立てましょう。
企業研究が不十分
企業についての理解が足りないと、志望動機、自己PR(応募企業で貢献できること)に説得力がなく、お見送りになる可能性が高いです。
また、面接の最後の定番質問「何か質問はありますか?」にも適切な答えができません。
佃光博氏は、「こんな学生は落とされる」として下記のような例を挙げています。就活生のことですが、中途採用にも当てはまるので、「学生」を「求職者」と読み替えてみてください。企業研究が浅いとどのように採用担当者から見えるかを理解してもらえると思います。
「志望動機が甘く、どの会社にも当てはまる回答の学生」(300人以下・情報・通信)
「当社志望度の低い学生。受験している業界がまったくバラバラな学生」(301~1000人・メーカー)
「とりあえず就職活動をしているように見える学生」(1001人以上・サービス)
HR総研ライターの佃光博氏の『採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点』(東洋経済ONLINE)
「当社のどの点に興味を持ちましたか?」という質問に、具体的な企業研究を元に、自分がその企業に興味を持った点を話せれば印象が良くなります。たとえば応募企業がメーカーならその商品を購入してみる、ライバル企業の商品も試して、ちがいを実感してみてください。説得力がちがいます。
企業について理解が不足していると、面接を通過することは難しいです。質問への回答も薄っぺらになり、他の候補者と差別化できません。
逆に言えば、十分な企業研究はライバルと差をつけられるということです。
募集要項の理解不足
募集要項について理解が不十分だと、面接でのアピールが足りない原因になります。スキル・経験、人物像すべてに当てはまります。
面接はあなたのスキル・経験を応募企業でどのように活かせるかをプレゼンする場でもあります。募集要項にある「求められるスキル」や実際に担当する業務への理解が薄ければ、面接官はあなたが活躍する姿を具体的にイメージできません。
「求められる人物像」についても、トップダウンが厳しい組織で、スタッフレベルで提案した企画を取り上げられたことをアピールしては的外れになる可能性が高くなります。
募集要項をよく理解したうえで、スキル・経験、人物像をアピールするポイント、表現方法など工夫することが大切です。
転職が決まらなことで自信を失っている
自信を失っていると、「この人と働きたい」と思ってもらうことが難しくなり、お見送りになる可能性が高くなります。
あなたのスキル・経験、人物像が募集要項に沿っていても、自信のない顔や態度から説得力に欠けるからです。
また、近年メンタルの不調から休職・退職する従業員が増え、一部の企業ではメンタルタフネスを非常に重視しています。
もちろんこのことは公表されませんが、転職エージェントは企業から社外秘で過去にメンタル不調があった人は除外してほしいと依頼されています。
自信を失っていると、あなたのスキル・経験・実績に説得力がなくなります。また、メンタルの不調を心配される可能性もあり、結果お見送り確率が上がります。
メンタルが弱いかも、という人は著者が外資系勤務時代の同僚から教えてもらったコーピングリストもおすすめです。
社会人としてのマナーが足りない
ビジネスの基礎である社会人としてのマナーがない人は面接でお見送りになることが多いです。基礎ができていなければ、その上のスキルがあっても実績・成果を出せないからです。
著者がサポートしたITエンジニアの方を例にします。優れたスキルがあったのですが、メールの文章が雑、著者のアドバイスにも常に反論する方でした。
面談時も応対がやや失礼なところが気になっていましたが、スキル・経験がぴったりな求人があったので、紹介しました。書類選考、面接と順調に進みましたが、
一次面接でお見送りとなりました。理由は、「非常に優れた方なのでリーダーとして活躍いただきたかったが、ご性格的にチームメンバーを引っ張っていく力がないと判断した」とのことでした。まだ転職エージェントになりたてのころで、痛い経験でした。自分で自信をもって推薦できる人物でないと紹介してもクライアントである企業に迷惑をかけてしまうと反省しました。
秘書など高いマナーを求められる職種を除いて、改めてビジネスマナーを身に着けるためのセミナーなどは不要です。相手を人として尊重してていねいな態度を心がけるだけで十分です。それでも気になる場合は下記を参考にしてください。
【身だしなみ】
スーツ・シャツ:しわ、シミ、汚れ
靴・バッグ:汚れ・磨かれていない
髪型:ビジネスの場に不適切・清潔感がない
手帳など筆記用具を忘れている
【態度・話し方】
遅刻
面接官以外の社員への態度が悪い(受付、案内係や廊下ですれ違った社員など)
挨拶・言葉遣い・話し方:相手の言葉をさえぎる、「でも」などの否定語が多い
偉そうな態度:椅子にドカッと座る、ドアの開け閉めに大きな音を立てる
素晴らしいスキル・経験があっても、その能力を活かすには社会人としてのマナーも大切です。会社という組織で他人と働くには、相手を不快にさせない心遣いができることも能力の一つです。
転職活動の方法が間違っている
努力は大切ですが、間違った努力ではゴールにたどり着けません。東洋経済オンラインによると、転職活動をしている人は就業人口の12%しかいないそうです。
なので、身近に参考にできる人、相談できる人がいないのは当然ですし、我流で転職活動をして失敗してしまうのも当然です。ここではよくある間違いを4つ挙げ、説明します。
応募のペースが遅い
応募ベースが遅いと、求人が締め切られ応募できない、選考期間が長い企業の結果待ちで活動期間が長引くなど、転職成功が遠のきます。
応募のペースを上げるべき理由は下記の3点です。
1.短期にまとめて応募することで集中力を保つことができる
面接は、全くの他人に自己アピールする=自分をほめるという、多くの人が苦手とすることです。普段よりテンションを高くしないとできません。逆に、短期間に多くの人と会うと、だんだんと楽しくなってくることがあります。著者はこれを「転職ハイ」と呼んでいます。多くの求職者さんは、面接を楽しんできた途端に内定率が上がります。楽しそうな人と働きたいと思うので、当然のことです。ぜひ、応募ペースを上げて転職ハイで内定をつかんでください。
2.チャンスを逃さない
求人はナマモノなので、昨日あった求人が明日あるとは限りません。良いと思った求人は選考中の結果を待たず応募することで、募集締め切りのために応募できなかったということがなくなります。
3.選考期間が長い企業もある
著者の経験で書類選考の最長期間は1ヶ月程度でした。求職者さんが別会社に行ってしまうからと何度も選考を急かしたのですが、大企業だけに社内選考が長かったです。書類選考だけで1ヶ月では、3か月~半年という転職期間に収まりません。
「良い企業があれば」という転職スタンスでないかぎり応募ペースが遅いのはリスクしかありません。
応募の幅が狭すぎる
強いこだわりやキャリアプランがなければ、30代前半までは業界・職種を絞りこみ過ぎず幅を広げておく方が生涯のキャリアでプラスです。
30代前半まではギリギリ未経験で応募できる求人がありますが、年齢が上がるにつれて求められるスキルに実績やマネジメント能力が加わり、応募できる求人数が減ってしまいます。
転職成功スパイラル
応募の幅を広げる⇒他社比較ができる⇒業界・職種への理解が深まる⇒書類・面接で差別化できる⇒特に志望動機の説得力が増す
今までのスキル・経験に掛け算をして、別な業界・職種に挑戦することなども考えて応募の幅を広げてみましょう。転職エージェントは業界・職種に広い知識があるので、意外な可能性を引き出してくれます。
転職活動の時間を確保できない
転職活動は、事前準備から入社するまでかなり時間を使います。ですが、中途半端な準備では内定を取れません。
まずは、時間の確保を社内、社外、プライベートで分けます。
1)社内:転職を考えたときから、①新しい業務をできるだけ引き受けない、②他の人に振れる業務はできるだけまかせる
2)社外:転職エージェントを利用して、求人情報の提供、書類作成サポート、面接日程調整などをまかせる
3)プライベート:通勤時間や昼休みの活用だけでなく、家事も効率化します。少しコストがかかりますが短期間のことですから、外注サービスを利用しましょう。食事サブスクやクリーニング、洗濯サービスなど活用して時間をつくります。
転職活動の時間を確保するために退職する人もいますが、体調を崩している場合以外はおすすめできません。精神的にも金銭的にも追い詰められることが多く、転職軸からずれていても最初の内定に飛びついてしまいがちです。
転職活動の時間の確保は転職成功のカギになります。できるだけ他の人にまかせて時間をつくることで希望の仕事をつかんでください。
退職する準備ができていない
内定が目的になっていると見落とされているのが、退職準備です。新しい会社に入社するには、まず今の職をやめなければなりませんが、トラブルになる例もあります。
特に女性と若手の退職はトラブルになりがちです。
著者が見た例では、建設業界で女性が退職しようとしたところ、支店から本社まで問題が発展し強い引き留めにあいました。その企業は女性の従業員割合と離職率を公表していたので、上司は責任を取らされ左遷。幸いにも最終的には4か月かけて退職でき、企業も待っていてくれたので無事に入社できました。
トラブルが長引くと、入社できない例もあります。同じ内定でも、「絶対に入社してほしい」から「他に人がいないから」と企業の温度感がちがいます。
入社が遅れると、他の候補者へ内定が流れてしまいます。
退職の準備については、転職活動の初期からすることをおすすめしています。詳しくは を読んでください。
転職活動を始めると、どうしても内定を取ることだけに集中してしまいますが、退職にもかなり時間を取られます。無事に次の職場に行くためにもしっかりと準備してください。
どうしても、退職ができない場合には、弁護士よりも低コストで利用できる退職代行サービスも検討しましょう。一部の退職代行サービスはグレーゾーンなので、余計なトラブルが増えないによう、信頼と実績のある代行サービスを選ぶことが大切です。
まとめ
転職活動の平均期間は3ヶ月から半年くらいです。長引くとデメリットが多く、多くのひとが転職をあきらめてしまいます。
「転職成功」には、2つの点が重要です。
転職活動の全体像を把握すること⇒どの時点で、何をするのか理解している、失敗ポイントも理解して予防する。
転職成功の一番のキモは準備⇒土台がしっかりしていないと、転職のいろいろな場面でつまずいてしまう。
【初心者必見】失敗しない・最速で内定が取れる 転職活動のスケジュールをフェーズごとに徹底解説も読んで、転職活動の全体像と、具体的な事前準備をつかんでください。
コメント